47万羽…大規模養鶏場での鳥インフルに衝撃 殺処分なら出水市内で飼う採卵鶏の2割超に

 2022/11/27 10:01
(資料写真)伊佐市方面へ通じる国道447号で車両を消毒する県職員ら=出水市下大川内
(資料写真)伊佐市方面へ通じる国道447号で車両を消毒する県職員ら=出水市下大川内
 出水市の養鶏場で鳥インフルエンザ感染が相次ぐ中、採卵鶏47万羽を飼う大規模農場でも疑い例が出た。遺伝子(PCR)検査で陽性となれば、市内で飼われている採卵鶏の2割超が殺処分となるだけに、感染拡大阻止に全力を上げていた県関係者に大きな衝撃が走った。

 「養鶏は鹿児島の基幹産業。これ以上のまん延を何としても防ぐため、関係職員、機関が一丸となって取り組んでもらいたい」

 26日夜、県庁で緊急開催された対策本部会議。本部長を務める塩田康一知事は硬い表情を崩さずにこう述べた。会議には迷彩服姿の自衛隊員も同席し、これまでにない緊迫感が漂う。

 出水市は鶏卵の産出額で全国トップを誇る一大産地だ。市内で飼われている採卵鶏は約290万羽。1、2例目で既に20万羽近くが殺処分されているが、疑い例が出た養鶏場の飼養規模はその2倍を超える。

 会議後に取材に答えた県畜産課の田中和宏課長は「(防疫対策マニュアルで目安とされる)24時間以内に殺処分を終えるのは難しい」と苦しい胸の内を明かし、「まずは死んだ鶏がいた鶏舎から作業を進め、ウイルスの拡散を防ぎたい」と言葉を継いだ。

 疑い例が出た養鶏場は25日、県の立ち入り検査で「異常なし」と確認したばかりだった。「昨日までは問題なかったのに」。田中課長は悔しさをにじませつつ「農場に出入りする人を含め、消毒作業をこれまで以上に徹底していくしかない」と農家に呼びかけた。