プリンの祭典・P-1グランプリで特別賞 〝走る鶏〟が産む「お多福たまご」で濃厚食感 湧水の協力隊OB

 2022/11/27 12:34
「走る鶏のプリン」がプリンの祭典「P-1グランプリ」で入賞した福重智寛さん=湧水町
「走る鶏のプリン」がプリンの祭典「P-1グランプリ」で入賞した福重智寛さん=湧水町
 鹿児島県湧水町米永で養鶏と菓子製造販売業を営む福重智寛さん(35)が作る「走る鶏のプリン」が、10月末に福井県であったプリンの祭典「P-1グランプリ」で実行委員会特別賞を受けた。来場者500人が18軒の商品を試食して投票する「生の声」が反映される大会での受賞を喜んでいる。

 同町出身の福重さんは高校卒業後、料理人を目指して東京のイタリアンレストランに勤務。2017年に帰郷し、町の初代地域おこし協力隊に就任した。

 活動の傍ら「スイーツに合う卵を生産したい」と、本を読み独学で養鶏場を開業。有機農法で作った米や麦を発酵させて作る飼料、湧き水で育てた放し飼いの鶏が産む「お多福たまご」を開発した。卵臭さの少ないすっきりした味が特徴だ。

 プリンは試行錯誤を重ねて今春完成。卵白を多めに使い、昔ながらの硬めで濃厚な食感に仕上げた。「自分のプリンがどの程度評価されるか知りたい」と初めてコンテストに出場した。

 試食した来場者からも好評で、当日販売用に準備した250個は午前中で完売した。福重さんは「『おいしかったから買いに来たよ』という声が何よりうれしかった」と振り返る。

 現在、県道栗野加治木線沿いの無人販売店舗で、プリン(250円)のほか、卵(10個1500円)やマヨネーズ(1000円)を販売する。福重さんは「お客さまの声を大切にしながらいい商品を作って、町を盛り上げていきたい」と話した。