新型コロナで関心高まる 鹿児島に過去最多2077人が移住 最多は関東から

 2022/11/28 11:00
 鹿児島県や市町村の支援策を活用して県内に移住する人が増え、2021年度は2077人で過去最多を記録した。新型コロナウイルス下で地方移住への関心が高まり、リモートワークも進んできたことが背景にあるとみられる。県と市町村は相談態勢や情報発信を強化し、さらなる移住、交流人口の増加を促す。

 県内移住者数は18年度1343人、19年度1535人だったが、コロナ禍に入った20年度に2051人と急増し、その流れが続く。県によると、関東からの移住が最も多く、関西、九州・沖縄と続く。移住先は非公表だが、奄美群島が半数超を占める。

 移住への関心の高まりは相談件数の伸びからもうかがえる。県は東京のNPO法人ふるさと回帰支援センターや東京、大阪の各県事務所など計5カ所に相談窓口を設けている。相談件数の合計は18年度3800件だったが、19年度4016件、20年度4245件で、21年度は5109件に上った。

 多くの移住者を呼び込もうと市町村も知恵を絞っている。奄美市は宅建協会と連携した空き家バンクや移住者の住宅購入費を最大100万円助成する事業などで支援。各制度を利用し、21年度は30、40代を中心に19世帯47人が移住した。

 格安航空会社(LCC)の東京、大阪便の就航でリーズナブルに移動できるようになり、奄美の世界自然遺産登録も認知度を高めた。U、Iターンとも一定数あり、市プロジェクト推進課の担当者は「自然や島ならではの人とのコミュニケーションが引きつけているようだ」と話す。

 一方、鹿児島市は、県都の都市機能と豊かな自然環境を併せ持つ魅力をアピールする。市によると、21年度の移住者は203人。Uターンが約半数を占めた。前年度比5.5倍の121人に急伸した20年度から、さらに増えた。

 移住関連のポータルサイト開設や専任の移住支援コーディネーターによるオンライン相談を実施。将来の移住を検討している人も狙い、一時滞在時の宿泊施設などで特典が受けられる会員制の「IJU倶楽部」で縁をつなぎ止める。

 県は22~26年度に計1万3000人の移住を目標に掲げる。本年度は移住者の動画などを作成してポータルサイトを一新するほか、市町村公営住宅の改修費補助や市町村の研修会、「ワーケーション」のモデルツアーなど取り組みを進めている。

 県産業人材確保・移住促進課は「移住潜在層への情報発信が大切。ポータルサイトや相談窓口を充実させ、鹿児島のファンを増やしたい」としている。