若者が増えてる姶良市、大規模な給食センター新設へ 自校調理の7校と加治木地区統合 「災害時、大丈夫?」

 2022/11/29 14:15
新学校給食センター予定地(奥)の隣接地に立つ小学校給食室別棟=姶良市増田
新学校給食センター予定地(奥)の隣接地に立つ小学校給食室別棟=姶良市増田
 若者世代の人口増加が続く鹿児島県姶良市で、大規模な学校給食センターの整備が進んでいる。市内の児童生徒らの約8割にあたる6500食を2027年から提供する計画。9月下旬、基本計画をつくる業者が決まり、「安全・安心」や「食育」の理念に加え、「災害対応」を盛り込んだセンター建設が本格化する。

 市教育委員会によると、新センターは、自校方式を取る姶良地区の7小中学校と、加治木学校給食センターを統合する形で、同市増田の市有地に新設する。20年12月に策定した基本方針では、延べ床面積は約3500平方メートルで、調理場のほかに食育推進のための見学コーナーなどが設けられる。

 自校方式の給食室と加治木のセンターは築30年以上たち老朽化しており、学校給食衛生管理基準が求める要件を満たさないと指摘されていた。事業費は概算で30億円を見込む。姶良市では他にも、庁舎建設など大型事業が重なり、運用開始は当初計画から3年先送りされ、27年9月の予定だ。

 基本計画を本年度中に策定する業者の案には、衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の考え方への対応や、食育推進のための調理体験施設の整備も盛り込まれた。ほかにも、災害発生時に運用する方針も示されたが、調理施設や保管食材を災害時にどのように利用するかは、基本計画の中で今後示される。

 PFI(民間資金活用による整備)が可能かどうかなど、事業手法も調査するほか、建設資材高騰の中での事業費も改めて試算する。

 新センターができれば、給食は、センター予定地の隣に既に整備されている小学校給食室別棟(1550食)と蒲生学校給食センター(600食)を合わせた3施設に整理される。

 一方、市民には「自校方式を残し、食育を充実してほしい」「加治木に施設がなくなる。配送時間がかかり大丈夫か」など懸念もくすぶる。市議会で問題を取り上げてきた有川洋美市議は「給食作りが工場化すれば、食中毒や災害など何らかの原因で使えなくなった際の影響が大きすぎる」と危惧する。

 市教委は「自校方式を求める声もあるが、財政や学校の敷地の問題もあり難しい。新センターで安全・安心の給食を提供したい」としている。