地熱発電の乱開発抑止へ 既存泉源での発電も市長の同意必要、計画段階で複数回審査も 指宿市が温泉保護条例改正案

 2022/11/30 07:00
指宿市役所
指宿市役所
 指宿市は29日に開会した市議会定例会に、温泉資源の保護に関する条例改正案を提案した。既存の泉源で地熱発電を行う場合も市長の同意を必要とする内容。法的拘束力はないが、地熱発電の乱開発による温泉への悪影響を懸念する声を受けて全面改正する。

 同条例は2016年に施行。地熱発電事業者に対し資源量調査や県への許認可申請前の事業計画説明と市長の同意が必要と定める。掘削許可を得た温泉を目的外の発電に転用する計画も出てきたため市議会常任委員会が改正を求めていた。

 改正案は地熱発電事業の複数の段階で、有識者らでつくる審議会がチェックし、市長が同意する仕組みを構築する。市は「持続可能な温泉資源の利用が目的。浴場にも農業にも発電にも適切に利用できるようにしていきたい」としている。