障害児と家族のための「星空の下の映画会」を絵本に 自閉症の息子目線のストーリー「困りごと、実情知って」 姶良の保育士が制作

 2022/12/05 11:39
障害がある子どものための野外映画会を紹介する絵本「いっしょがいいな」をつくった北村涼子さん=11月、姶良市
障害がある子どものための野外映画会を紹介する絵本「いっしょがいいな」をつくった北村涼子さん=11月、姶良市
 鹿児島県姶良市西餅田の保育士北村涼子さん(38)が、映画館での鑑賞が難しい障害児と家族のための「星空の下の映画会」を舞台にした絵本をつくった。自閉症の長男一心さん(15)の目線で、家族や支援者の協力で映画会実現までを描く。北村さんは「外見からは障害が分からない子もいる。生活の困りごとなど実情が分かってもらえればうれしい」と話す。

 僕は映画館に行ったことがない-。こんな告白で始まる絵本のタイトルは「いっしょがいいな」。大声が出たり動いたりする自分や人混みが苦手な「お友達」のために、親が集まり野外映画会を企画。ボランティアらの協力で、家族一緒にパンフレットやポップコーンもある映画会を楽しむ物語となっている。笑顔が印象的な温かい絵は北村さんの友人、富山奈々さん(31)=東餅田=が描いた。

 映画会は北村さんらでつくる「障がい児の放課後・長期休暇を豊かにする会」(杉本治美代表)などが中心に同市で2年前から開き、今年10月の会は34家族が楽しんだ。

 オールカラー25ページ。フォトブック製本で映画会の写真も収めた。映画会で紹介したところ、問い合わせが多く、実費で譲っている。B5判が3600円、A4判5200円。