鹿児島伝統 ほぼ強制の「朝課外(ゼロ校時)」 高校生は不満の一方「補習ありがたい」「自分だけの勉強不安」 保護者、教員も複雑な思い

 2022/12/06 11:00
朝早く登校する高校生ら=鹿児島市のJR鹿児島中央駅前アミュ広場
朝早く登校する高校生ら=鹿児島市のJR鹿児島中央駅前アミュ広場
 鹿児島県内の普通科高校で長年続く“朝課外”への高校生の疑問を紹介した「こちら373」(11月27日付)に、高校生や保護者、教員らから大きな反響があった。「負担が大きい。見直して」「補習をしてくれるのはありがたい」。立場によって受け止め方もさまざまなようだ。

 公立高校3年男子は「朝課外に遅れたり欠席したりすると教員から注意される。事実上の強制参加になっている」と訴える。

 共働きの親に負担をかけたくない、と早起きして自分で弁当を用意する生徒もいるという。「朝課外が無意味だとは思わないが負担の方が大きいのでは。学力向上が目的であるはずの朝課外によって、疲れて授業に集中できず学習の質が落ちている」

 公共交通機関で公立高校に通う1年女子は、ちょうどいい時刻の便がなく、朝課外が始まる約40分前に学校へ着く。廃止に賛成だが、古典文法を詳しく教わる国語の朝課外は役立っており「課外がなくなり自分だけで勉強するのは不安」と漏らす。

 「朝課外の出席率が悪い=クラスの雰囲気がよくないと先生に言われたことがある。全廃とはいかなくても強制的な空気は排除して」「朝課外のほか、大量の宿題や予習があり、睡眠時間は4時間」。高校生たちの声には、朝課外への不満がにじむ。

 大学1年の娘と高校1年の息子がいる40代母親は、勉強には自主性も必要とし「任意参加か、週3回ほどに減らしてくれれば」と見直しを求める。PTAが費用を負担していることや任意とは数年前まで知らなかった。「仕組みを理解していない保護者も多いと思う」と指摘した。

 朝課外、授業、部活動に追われて子どもが心身のバランスを崩して病気になったという母親は「親子ともに苦しい毎日」と訴えた。

 高校1年の息子が毎日朝課外に参加している大隅半島在住の40代母親は「近くに塾や予備校はほとんどない。嫌でも机に向かわなければいけない時間があるのはありがたい」とする。早朝の弁当作りや送迎も仕方がないと受け入れているが「先生の負担を考えると申し訳ない気持ちもある」。

 教員からも戸惑いの声が上がる。公立高校に勤務する女性は「教員は任意参加というわけにはいかない。周りに負担をかけないよう、幼い子どもを育てている教員は朝課外がない学校を希望している」と明かした。

■朝課外

 「ゼロ校時」「朝補習」などとも呼ばれ、通常授業より1時間早い午前7時半ごろから始まるのが一般的。始まった時期や経緯は分からないが、鹿児島県教育委員会によると、主にPTAの依頼で実施しており、参加は強制ではなく任意。大都市圏に比べて塾や予備校が少ないことから九州各県で広がったとみられている。

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