カットとドリップの二刀流 コーヒーが好き過ぎて理容室にカフェをオープンしたこだわり店主 日課は閉店後の湧き水くみ

 2022/12/07 14:30
コーヒーカップとはさみを持つ正岡忠信さん=鹿児島市新屋敷町の同店
コーヒーカップとはさみを持つ正岡忠信さん=鹿児島市新屋敷町の同店
 カットとドリップの“二刀流”-。鹿児島市新屋敷町で理容室「OURS(アワーズ)」を四半世紀以上営む正岡忠信さん(50)は9月から、コーヒー好きが高じて店内にカフェを併設している。水にこだわったコーヒーは苦みと甘みのバランスもよく「寒さも増す中、温かいコーヒーでほっとしてほしい」と話した。

 正岡さんは1996年にアワーズを開業。当初は利用客にはサービスで市販の缶コーヒーを出していた。自身は喜界町に住んでいた中学時代から、お湯を注いで抽出するドリップ式を好むなどコーヒーにはこだわりが強い。「せっかくなら自分がいれたものを提供したい」。県内外のカフェを飲み歩いて研究を重ねた。

 「豆はこれまで十数回変えた」。ようやく20年ほど前に気に入る豆に出合う。海外産の深いりだが、ブラックが苦手な人でも飲みやすいさっぱりした味。そこからは豆に合う水探し。仕事の合間を縫い10年近くをかけて、県内の遠方にある湧き水を見つけた。「あっさりとした飲み心地の中に、甘みを感じた。『これだ』と思った」と振り返る。

 毎週、店を閉めた後に水をくみに行き、数時間かけて下処理をするため、作業は深夜に及ぶことも。「カフェを開くのは長年の夢だった。大変でも、お客さんの『ごちそうさま』という言葉のために頑張れる」と笑顔を見せた。

 コーヒーはアイス500円、ホットは450円。カット利用客には無料で提供する。営業は午前10時~午後11時まで。

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