気象台の「霜注意報」 真冬は発表してなかった! 農作物への影響見極め、地域や年で発表期間に差

 2022/12/08 10:15
朝の冷え込みで葉っぱに霜が降りた茶畑(資料写真)
朝の冷え込みで葉っぱに霜が降りた茶畑(資料写真)
 鹿児島県内は6日夜から7日朝にかけ、上空に寒気が流れ込み、伊佐市大口で最低気温が氷点下1.7度、霧島市溝辺で同0.8度を観測するなど、今季初の冬日となった。鹿児島地方気象台は12月に入って、頻繁に県本土への霜注意報を出しており、7日も発表した。ただ、真冬は気温が低くても出されないという。どんな基準になっているのか、調べてみた。

 気象台によると、注意報の発表基準は、県本土と種子島・屋久島地方は最低気温4度以下、奄美地方は5度以下となっている。地域気象観測システム(アメダス)は地上1.5メートルで計測をしており、地表面がおおむね0度以下になる気温だという。

 基準を満たしても霜注意報を発表しない時期があるのは、霜が降りることが珍しくなく、影響を与える農作物が少ないから。発表する期間は、地域や年によって差がある。

 県本土では原則11月末までが「早霜」、3月初旬前後から「晩霜」への注意を呼びかける。毎年気象台が県と相談し、茶やジャガイモなど農作物の発芽・生育を見ながら具体的な期間を設定する。今季の県本土は「早霜」への注意報が12月10日まで。昨季は2月21日以降とした「晩霜」の発表期間は、例年2月上旬に判断しているという。

 気象台の山下一実主任予報官は、「今年は現時点では暖冬傾向にあり、農作物の寒さへの適応が遅れる可能性を考えた」と早霜発表の期間を延ばした理由を説明する。九州では、大分県も同様に10日まで。佐賀、長崎は11月30日、福岡、熊本、宮崎は同20日までだった。

 早霜が影響を与える作物が少ない関東や近畿地方、瀬戸内海沿岸では、晩霜期のみの地域が多い。一方、霜自体が珍しい種子・屋久と奄美は真冬でも発表される。