乗客4000人規模の国際クルーズ船が16回鹿児島寄港へ 来年5~11月、国内最多 世界遺産の島・奄美への寄港も要望

 2022/12/08 07:08
MSCクルーズジャパンのオリビエロ・モレリ社長
MSCクルーズジャパンのオリビエロ・モレリ社長
 スイスを本拠とする国際クルーズ船会社の日本法人、MSCクルーズジャパン(東京)のオリビエロ・モレリ社長は7日、鹿児島市で南日本新聞の取材に応じ、同社の客船「ベリッシマ」(約17万トン)が、2023年5~11月のおよそ半年で計16回の鹿児島寄港を予定していると明らかにした。母港の横浜市を除き、寄港地として国内最多。

 ベリッシマは2019年就航で乗客4000人以上、乗員2000人規模の大型客船。新型コロナウイルスの影響で日本での運航が中止されており、23年が国内初運航。第1弾は4月29日に横浜を出港、鹿児島寄港は5月1日。沖縄、台湾を経由して7日に横浜に帰着する。夏までの予約状況では多くは国内客で、外国人客は1割程度になる見込み。

 鹿児島寄港が多い理由として、モレリ社長は沖縄、韓国などに近い地理的な優位性や桜島や歴史などの独自性を挙げた。加えて「(コロナ禍の)苦しいときにも鹿児島の関係者と連絡を取り合い支えてもらった。再開に向けて行政、民間とも非常にポジティブだ」と評価した。

 鹿児島の新たな魅力として、世界自然遺産に昨年登録された奄美に触れ「新しいコンテンツは非常に重要。これまでのいいものと、新しいものの両方を提供したい」と話した。現在は9万トンまで寄港可能な名瀬港に大型のベリッシマが寄港できるよう関係機関に要望しているという。

 モレリ社長は寄港再開に向けて6、7日に鹿児島を訪問。塩田康一知事と面会したほか、ウイスキーを製造している日置市の小正醸造嘉之助(かのすけ)蒸溜所などを見学した。