(詳報)出水の養鶏場で鳥インフル7例目疑い 殺処分なら自衛隊に派遣要請 6例目農場で殺処分始まる

 2022/12/08 07:44
【資料写真】殺処分のため養鶏場へ向かう県職員ら=出水市高尾野体育館前
【資料写真】殺処分のため養鶏場へ向かう県職員ら=出水市高尾野体育館前
 鹿児島県は7日、出水市高尾野の養鶏場(採卵鶏6万3000羽)で鳥インフルエンザの疑い例が発生したと発表した。遺伝子検査で陽性が確認されれば、県内では今季7例目となる。塩田康一知事は同日夜の対策本部会議で、殺処分が必要となった場合は自衛隊に派遣要請する考えを示した。

 疑い例が出た養鶏場は、2~6例目の発生農場から半径3キロ内にある。同日午前11時、系列農協を通して「死ぬ鶏が増えている」と県北薩家畜保健衛生所に通報があり、簡易検査で13羽全てがA型インフルエンザ陽性となった。

 8日朝にも結果が判明する遺伝子検査で高病原性の疑いが認められると、半径3キロ内は移動制限区域となり、鶏や卵の持ち出しができなくなる。同3~10キロ内には搬出制限がかかり、域外出荷が規制される。

 1例目から合わせて、移動制限区域には38農場(130万5000羽)、搬出制限区域には59農場(301万6000羽)が含まれる。

 対策本部会議では、1~4例目の疫学調査状況についても説明があった。3例目の発生農場で壁や換気扇カバーが一部破損していたほか、野鳥が確認されたり、猫やネズミの足跡やふんが見つかったりした農場もあった。

■4、5例目の防疫措置完了

 鹿児島県は7日、出水市高尾野の養鶏場(採卵鶏6万羽)で見つかった鳥インフルエンザ疑い例について、高病原性とみられる「H5亜型」の感染を確認し、全羽の殺処分を始めた。家禽(かきん)の鳥インフルエンザ発生は今季県内6例目、国内27例目。

 鹿児島中央家畜保健衛生所の遺伝子検査で判明した。殺処分は午前8時に始まり、県や出水市、周辺市町、JAの職員らが当たっている。詳しい遺伝子型は解析中。ウイルス侵入経路などを調べる国の疫学調査チームも同日現地入りした。

 4、5例目の発生農場では7日までに防疫措置が完了。5例目が高病原性(H5N1亜型)だったことも分かった。