白い湯気、甘い香り…明治から続く、伝統の黒砂糖作り 阿久根

 2022/12/09 21:21
釜で煮詰められる黒砂糖=阿久根市脇本
釜で煮詰められる黒砂糖=阿久根市脇本
 鹿児島県阿久根市脇本の松木製糖工場で黒砂糖作りが本格化している。作業場には白い湯気と甘い香りが立ちこめる。12月下旬まで続く。

 阿久根の黒砂糖作りは明治初頭に始まったとされる。今季はサトウキビ約25トンを受け入れ、約700キロを作る。市内の道の駅やスーパなどで販売する。

 4日は朝から10人が作業した。70年前から使う搾り機にサトウキビをかけ、搾り汁を三つの釜に順々に投入。手作業で火加減を調節しながら煮沸を繰り返すと、鮮やかな琥珀(こはく)色に仕上がった。

 期間中は地域おこし協力隊と連携した体験会も開く。川上秀樹代表(46)は「えぐみが少ない伝統の味を楽しんでほしい」と話している。