三笘、田中碧、板倉、権田…川崎の町クラブ「さぎぬまSC」はなぜ日本代表を4人も出せたのか? 指導者が語る子どもを育てる環境の大切さ

 2022/12/10 15:03
サッカーワールドカップ日本代表に4人を送り出した「さぎぬまサッカークラブ」の澤田秀治代表=8日、姶良市
サッカーワールドカップ日本代表に4人を送り出した「さぎぬまサッカークラブ」の澤田秀治代表=8日、姶良市
 「鹿児島から世界に羽ばたいて」-。サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会で活躍した三笘薫選手ら日本代表4人を輩出し注目を集める川崎市の「さぎぬまサッカークラブ(SC)」の澤田秀治代表(64)は、鹿児島県姶良市がルーツの妻眞理子さん(62)と同市を訪れている。8日、インタビューに応じた澤田さんは「4人は普通の町クラブから巣立った。やる気とサポートがあれば地方からも世界を目指せる」と鹿児島のサッカー少年にエールを送る。

 三笘選手のほか田中碧選手、板倉滉選手、ゴールキーパーの権田修一選手が小学校時代に在籍した。優勝経験のあるドイツ、スペイン戦に歴史的勝利しベスト16進出に貢献した4人に、澤田さんは「クラブ出身者が1人選ばれるだけで大変なこと。4人も活躍するとは、こんなに誇らしいことはない」と目を細める。

 1979年創立の同SCは、小学校の土の校庭が練習場で、希望すれば初心者でも入れる「アットホームな町クラブ」。保護者にも積極的な練習サポートを勧め、クラブOBの大学生ら若いコーチと一緒に子どもを指導するのが特徴だ。

 学年ごとにチームがあり各チームの監督は保護者らから選出。サッカー未経験だった澤田さんも18期(96年入部)監督を務め、17期の権田選手を近くで見守ってきた。その後代表に就くと、板倉選手(25期)、三笘選手(26期)が入部。田中選手(27期)は体験会に来た幼稚園時代に「もっと難しい練習がしたい」と泣くなど、技術は際立っていたという。

 「4人とも向上心の塊だった」と振り返る。特に権田選手は「人十倍」負けず嫌いで練習後にも父親と基本練習を繰り返していた。

 鹿児島も代表選手を輩出している。「鹿児島は少年サッカーの全国レベルの大会が開かれるなど、環境が整っている」と澤田さん。「子どもの可能性は無限。コーチや親の愛情あるサポートが子どもを成長させ、感謝の気持ちを育む」と語った。