人工ウナギ、初めての味は…「ふんわり」「臭みない」 完全養殖目指して研究8年、かば焼き試食会

 2022/12/13 08:15
試食会で提供された、人工ウナギのかば焼き=12日、鹿児島市郡元町
試食会で提供された、人工ウナギのかば焼き=12日、鹿児島市郡元町
 ニホンウナギの完全養殖を目指して研究中の新日本科学(本店・鹿児島市)は12日、鹿児島市の料理店で、卵から人工的に育てたウナギの試食会を初めて開いた。同社は2026年度に年間10万匹を生産できる体制構築を目指している。

 天然の稚魚シラスウナギの漁獲量減少を受け、同社は14年に研究を開始。20年に和泊町の研究拠点で、天然海水での稚魚生産に成功した。22年に生産した稚魚は137匹で、うち76匹が親ウナギとなって飼育中。同社はふ化後の生存率を上げるなどの技術開発に取り組んでいる。設備を含め、これまでに約7億9000万円を投資した。

 試食会の参加者20人は、かば焼きを味わい「身がふんわりして、おいしい」「脂が乗り、臭みがまったくない」と喜んだ。郡山明久・鹿児島銀行副頭取は「太鼓判を押せる味。日本の食文化継承のため、時間がかかっても研究を続けて」。調理した税所陽輔・うなぎ処さいしょ社長は「上質で皮や骨も軟らか」と評価した。

 新日本科学の永田良一会長兼社長は「養鰻は鹿児島の主要産業の一つ。量産には数年かかるが、技術は前進している。完全養殖を実現して、地元に貢献したい」と語った。