白波スタジアム改修ではだめ?…新サッカースタジアム構想、鹿児島市は「試算していない」 理由は「県の施設だから」

 2022/12/13 12:02
鹿児島市有地を無償で借りて建つ県の白波スタジアム=同市与次郎2丁目
鹿児島市有地を無償で借りて建つ県の白波スタジアム=同市与次郎2丁目
 鹿児島市は12日の市議会個人質問で、サッカーJ3鹿児島ユナイテッドFC(鹿児島U)のホーム・白波スタジアム(県立鴨池陸上競技場)について、昇格に必要とされる施設の改修費は試算していないことを明らかにした。県有施設なのが理由。鹿児島港本港区で計画する新スタジアム整備費の試算は土地取得費を含めて208億~249億円。鴨池運動公園の土地は市有地であり、県と協力して白波を改修した方が整備費が抑えられる可能性がある。

 JリーグはJ2、J1とカテゴリーが上がるにつれて厳格なスタジアム基準を設定している。観客席数はJ1が1万5000以上、J2は1万以上とし、いずれも屋根が観客席の3分の1以上を覆うことを求める。

 白波の観客席数は約1万2000、屋根カバー率は約10%にとどまっており、市のスタジアム構想の起点の一つとなった。

 Jリーグは「スタジアムを新設、大規模改修する際は全ての観客席を屋根で覆うことが望ましい」と求めるものの、白波の改修でスタジアム不備問題は解決する可能性がある。

 下鶴隆央市長は常々、「スタジアム整備の前提条件はオール鹿児島での取り組み」と強調するのに対し、有村浩明観光交流局長は12日の本会議で、「(白波は)県の施設であり、改修に関する試算はしてない」と述べた。

 下鶴市長は本港区の3候補地のうち、中心市街地への経済波及効果などを理由にドルフィンポート跡地(本港新町)が優位との見解を明らかにしている。同日の本会議では「県のスポーツ・コンベンションセンター(新総合体育館)と目指す方向性は同じであり、それぞれの特徴を生かすことで相互利用が進むなど相乗効果が期待できる」とあらためて意欲を示した。

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