自衛隊が絡むのは稀 馬毛島基地賛成の中種子町、空自と初の合同防災訓練 隊員・施設受け入れへ関係強化
2022/12/13 21:30

陸上競技場に着陸する救難ヘリUH60J=11日、中種子町中央運動公園
種子島近海で強い地震が発生したと想定。約2時間の訓練に対象地域の4分の1超に当たる約120人が参加した。
午前8時すぎ、防災行政無線が鳴り、住民は災害時の拠点避難所になる町中央運動公園に向かった。町職員らが人数やけがの有無を確認。障害物が少ない陸上競技場に誘導した。
開始から約40分後、上空に空自の2機が飛来した。1年前に地震が頻発した十島村悪石島で、情報収集に当たったT4練習機と、救難ヘリUH60Jだ。それぞれ福岡空港(福岡市)、新田原基地(宮崎県新富町)を出発し、被害状況の確認や孤立住民の搬送など、実際の被災時と同じ流れを住民に披露した。
町は2020年、種子島3市町で最も早く「自衛隊誘致推進協議会」を官民で発足。自衛隊訓練受け入れにも積極的で協力姿勢を示す。11月には空自音楽隊を招き、演奏会も開いた。田渕川寿広町長は「離島のハンディを考えれば災害時の対応や経済振興と自衛隊のメリットは大きい」と関係構築の意義を強調する。
防災訓練に駆け付けた春日基地(福岡市)の約30人は炊事車を持ち込み、カレーを振る舞った。参加住民は好意的に受け止め「迅速な動きに驚いた。地域の安心につながる」と理容師石堂芳弘さん(45)。町消防団の中村眞一団長(63)も「災害現場を知る自衛隊と活動することで団の意識も高まる」と期待した。
空自側にも収穫があったようだ。西部航空方面隊司令部の大久保雄史防衛課長(47)は「災害時の着陸ポイントなどを実際に見て、分かることもあった」と振り返った。訓練後、種子島空港での機体の一般公開には列ができ、春日基地の田崎剛広司令(53)は「関心を持ってくれてありがたかった。相互理解が深まるきっかけになればいい」と話した。
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