桜島のある鹿児島市、3段階の噴火情報発信を検討 携帯電話のプッシュ通知など活用 気象庁、26日に緊急メール終了で代替手段

 2022/12/14 11:57
噴煙を上げる桜島(資料写真)
噴煙を上げる桜島(資料写真)
 気象庁が携帯電話を通じて噴火の特別警報を知らせる緊急速報メールを年内に終了する方針を受け、鹿児島市は速報性を重視し、3段階に分けた情報発信を当面の代替手段として検討していることが13日分かった。同日、気象庁は噴火の速報メールを、26日午後2時に終了すると発表した。市は26日に間に合うよう準備を進めており、配信終了後の空白期間は生じない見通しだ。

 市危機管理課によると、気象庁は噴火警戒レベルを4(高齢者等避難)か5(避難)に引き上げた場合、レベル上げや警戒範囲、大規模噴火の兆候の有無を伝える通知を関係自治体に流す。

 市の対応案では、事前登録なしで携帯電話などに届く「プッシュ型」の機能を使って、市内全域に通知を自動配信する。この際、技術的な制約があり、配信情報にはレベル上げだけが記載される見込み。不足する警戒範囲などの情報は、桜島島内では防災行政無線、市民にはLINE(ライン)などを使った速報で補う。その後、緊急速報メールで避難情報を出す流れが想定される。

 当初、配信の継続を気象庁に要望していた下鶴隆央市長は、11月30日の会見で「代替手段は仕組みとして可能。空白期間を生まないよう、急ぎ検討している」と説明。自動配信を検討する理由について危機管理課は、速報性重視の他、「メール配信終了に間に合う」「不足している情報は別の方法で補える」などを挙げる。

 気象庁からは12月上旬、配信を26日に終了予定であることが伝えられた。中島智広課長は「対応を迫られる市町村としては、最初の発表段階で終了日時を伝えてほしかった」と話した。

 気象庁が26日に配信を終えるのは噴火や大雨の特別警報。緊急地震速報と津波警報・大津波警報は継続する。