【馬毛島基地計画】八板市長の問責決議案、再び否決 米軍再編交付金の基金条例は可決 どちらも1票差 西之表市議会

 2022/12/17 14:33
問責決議案の起立採決に臨む議員=16日、西之表市役所
問責決議案の起立採決に臨む議員=16日、西之表市役所
 鹿児島県西之表市議会は16日の定例会最終本会議で、同市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画に伴う米軍再編交付金を積み立てる基金の設置条例案を可決した。前回定例会に続き、計画反対派が提出した八板俊輔市長の問責決議案は再び否決した。いずれも1票差。

 市は2022年度分の再編交付金7億7680万円を基金に積み立て、23年度から学校給食の完全無償化に充てる方針。基地整備につながる手続きを市議会が追認したことで、防衛省は早期着工に向けて「地元の理解」を得た格好だ。

 問責決議案では再編交付金を巡る対応などを挙げ、「市民への説明不足」と指摘。前回、提出者の採決ボタンの押し間違いで否決となった経緯があり、通常の電子採決から起立採決となったが、今回は計画賛成派の賛同を得られなかった。

 閉会後、八板市長は報道陣に「基地整備の判断と切り離し、法令に基づいた手続きを認めてもらい安心している。批判は真摯(しんし)に受け止め、職務を全うする」と語った。計画への賛否については「近く公告される環境影響評価(アセスメント)の評価書、防衛省との協議の推移を見ていきたい」と述べ、具体的な判断時期に踏み込まなかった。