日銀 事実上利上げ 「地方企業はマイナス大きい」「迅速な経済対策を」 鹿児島県内、景気への影響懸念

 2022/12/21 12:53
 日銀は20日の金融政策決定会合で決めた大規模な金融緩和策の修正について、「利上げではない」(黒田東彦総裁)と説明したものの、鹿児島県内の経済関係者からは景気への影響を懸念する声が上がった。

 「悪影響が大きく、はっきり『利上げする』とは言えないのだろう」。九州経済研究所(鹿児島市)の福留一郎経済調査部長は、今回の決定を利上げへの布石とみる。「長期金利が上がれば住宅ローンや企業の借り入れにも影響し、マインドの悪化が懸念される。収益の厳しい地方企業にとっては特にマイナスが大きい」と指摘する。

 全国商工会連合会長も務める県連合会の森義久会長は一定の理解を示す一方、設備投資などにおける企業の負担増を懸念する。「コロナ禍から復興しつつある時期で、最低賃金も引き上げられたばかり。企業の負担をカバーできるような迅速な経済対策が必要だ」と、政府の対応を求めた。

 鹿児島銀行の松山澄寛頭取は「景気回復と物価上昇を踏まえた金融正常化に向けた第一歩と捉えている」とコメント。マーケットの動向を注視するとした。