福岡で通報相次いだ異臭、原因は桜島!? 「風に乗り火山ガス到達、雨で地上に」九州大主幹教授が見解

 2022/12/23 08:05
噴煙を上げる桜島(資料写真)
噴煙を上げる桜島(資料写真)
 福岡県や佐賀県などで21日朝に通報が相次いだ「硫黄のような臭い」について、大気環境に詳しい九州大学の竹村俊彦主幹教授は22日、取材に対し「桜島から放出された火山ガスの二酸化硫黄や硫化水素が、九州北部まで風に乗って運ばれた可能性が高い」との見解を示した。

 竹村氏は、米国海洋大気局の情報や自身が開発したシミュレーションソフトを用い、21日の異臭の原因を解析。桜島のガス濃度が高く、風が全体的に北へ吹いたことや、九州北部上空で雨が降ったことなどが重なって起きた現象と説明した。

 鹿児島県によると、桜島の同市有村町で観測された二酸化硫黄濃度は20日午後9時までの1時間平均で、環境基準を超える0.157ppm。福岡県によると、福岡市での濃度は21日午前9時までの1時間平均で、通常の約20倍の0.023ppmだった。

 竹村氏は「桜島から半日ほど風に乗って移動した後、二酸化硫黄や硫化水素は水に溶けやすいため、雨と一緒に福岡などの地上に降ったとみられる」と推測した。