普段は非公開の桜島内部に入れる旅 商品化へ 鹿児島市が試験ツアー、避難体験や鹿児島湾クルーズも

 2022/12/23 15:00
桜島
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 火山防災を観光資源に-。鹿児島市は20日、桜島で防災をテーマにした試験的なツアーを初めて実施した。新型コロナウイルス感染拡大や、7月の噴火警戒レベル5(避難)引き上げ時からの観光需要回復に向け、火山の魅力や災害対策の旅行商品化を目指す。抽選で選ばれた一般参加者や旅行業関係者41人が、普段は入れない火山観測室などを見学した。

 ツアーコースとなった京都大学火山活動研究センターのハルタ山観測室(桜島赤生原町)は、普段非公開となっている。参加者は南岳山頂火口まで2.8キロに迫る中腹で説明を聞き、60年以上現役で動いている地震計も見学した。立ち入り禁止となっている地獄河原(黒神町)の砂防堰堤(えんてい)も訪れた。

 黒神埋没鳥居(黒神町)や国際火山砂防センター(野尻町)も回った。最後は、避難港となっている野尻港から、チャーターしたフェリーで避難体験。鹿児島湾をクルーズして市街地へ戻った。

 同市三和町のパート、盛由紀子さん(64)は「火山が多い土地に住んでいることを改めて実感した。防災意識も高まった」と話した。