【23年度政府予算案】防衛省 馬毛島基地整備に3030億円、2年連続3000億円超え 契約ベースで計7654億円

 2022/12/24 08:01
馬毛島(資料写真)
馬毛島(資料写真)
 防衛省は23日閣議決定された2023年度予算案に、鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備関連費として3030億円(契約ベース)を計上した。年度中の支出は546億円。基地本体整備費は22年度当初予算の3183億円、第2次補正の1441億円を合わせると契約ベースで7654億円に上る。

 事業の環境影響評価(アセスメント)手続きは最終段階に入り、鹿児島県の塩田康一知事が計画容認を表明するなど状況が変化する中、2年連続で3000億円台を積み上げた。同省はアセスの最終まとめとなる「評価書」公告後すぐに着工したい考えを示しており、FCLPの早期移転に向けた動きが一段と加速しそうだ。

 23年度予算案の主な内訳は滑走路や駐機場、燃料施設、係留施設などの整備に1455億円、管制塔、通信局舎、飛行管理棟などに1065億円。宿舎や管理事務所といった種子島島内の施設整備費88億円も盛っている。

 馬毛島整備以外の関連予算では、米軍の基地移転や訓練移転に伴って全国の地元自治体に支払われる米軍再編交付金が計55億400万円。同省は9月に「再編関連特定周辺市町村」として西之表市と中種子、南種子両町を指定しており3市町も含まれる。内訳は現時点で未定。

 航空自衛隊新田原基地(宮崎県新富町)に配備予定の最新鋭ステルス戦闘機F35Bの8機分の購入費用には1435億円を計上した。馬毛島で「模擬艦艇発着艦訓練」を見込んでおり、空自の訓練施設整備に向けた設計経費として3000万円を盛り込んだ。

 馬毛島の早期整備を目指す防衛省は、昨年から既に基地本体工事に関連する発注を進めている。工事はアセスの評価書公告後から可能で、工期はアセス後の4年程度としている。