中古の冬物家電に品薄感「商品が入るとすぐ売れていく」 物価高、半導体不足…節約志向で長く使う傾向も?

 2022/12/26 11:28
中古の暖房器具=鹿児島市宇宿2丁目
中古の暖房器具=鹿児島市宇宿2丁目
 物価高を背景に、手頃な価格で買える中古家電が人気を集めている。鹿児島市のリサイクルショップではファンヒーターや電気ストーブ、エアコンなどの売れ行きが好調。半導体不足の影響もあり、品薄状態が続いており、各店は買い取りに力を入れる。

 宇宿2丁目の「リサイクルマート鹿児島宇宿店」にはファンヒーターや電気ストーブなどが新品の4、5割安で並ぶ。中には半額以下も。ただ、売約済みのシールが目立つ。

 寒さが厳しくなった12月は暖房器具が4、5台出る日もあり、「商品が入るとすぐ売れていく」と土屋翔店長(35)。動作確認を行い、2週間の保証を付けている。

 冬物家電だけでなく、半導体不足による品不足のため、年間を通してエアコンや冷蔵庫、洗濯機も売れている。夏場にエアコンが1カ月に15~20台出るなど、家電全体の売り上げは例年の2倍になった。土屋店長は「暖房器具など季節商品の買い取り額を2割アップしている。在庫確保に力を入れたい」と話す。

 上荒田町の「リサイクルストア スターズ鹿大通り店」は、型落ち家電はほぼ半額以下。保証は、無料で3カ月、有料で最長3年付けることができる。問い合わせは絶えないが、ファンヒーターやストーブは売れ切れ状態だ。

 同店でもエアコンや冷蔵庫、洗濯機は人気。だが節約志向が高まり、不要品の買い取り希望が減っているのが悩み。新型コロナ禍前は店周辺の鹿児島大生の引き取り依頼が多かったが、「今は長く使う傾向がうかがえる」と鶴留和幸店長(31)。特に白物家電は相場や店独自の算定を基に、満足度が高い買い取りに努める。

 田上8丁目の「リサイクルショップ八光」は、商品をインターネットにアップ。それを見て実物を確認に来る客が多い。売れ筋はファンヒーターや大型冷蔵庫など。家電は1~3カ月保証で除菌やクリーニングをする。家具などまで含めた全体の売り上げは例年の2割増。釣井孝浩社長(53)は「リサイクル品への抵抗感は薄れているようだ」と話す。