23年度 鹿児島県の経済成長1.2%予測、3年連続プラス 観光需要高まり、国体開催も追い風

 2022/12/29 12:17
 九州経済研究所(鹿児島市、KER)は28日、2023年度の鹿児島県の実質経済成長率が1.2%と、3年連続のプラス成長となる見込みを発表した。観光など個人向けサービスを中心に上向き、県内総生産(GDP)は新型コロナウイルス禍前の19年度水準まで回復すると見込んでいる。

 内訳は個人消費を1.0%と予測。ウィズコロナの動きが強まり、旅行・飲食の消費が引き続き期待される。住宅投資は建築資材の高騰などで22年に落ち込んだ反動から、4年ぶりに前年度を上回る0.2%を見込む。生産活動は0.7%で、外食需要の回復による食品製造業の持ち直しを予想する。

 一方、下押し圧力として、物価高騰による実質所得の伸び悩みや米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めによる海外経済の減速を懸念。賃上げで実質所得の目減りを防ぎ、回復基調を維持できるかをポイントに挙げた。

 22年度の実質経済成長率は1.4%と予測する。行動制限解除や消費喚起策により個人消費が伸び、昨年12月の前回発表から0.1ポイント上方修正した。

 KERは「23年度は国内外の観光需要の高まりに加え、かごしま国体も追い風となり、コロナからの立ち直りが見られる年となりそう」と期待感を示している。