悪臭放つため池の水抜き始まる 出水・鳥インフル殺処分埋却地から液体が流れ込む 「ひどい臭い」と住民も避難…作業完了は年明け

 2022/12/30 09:42
バキュームホースでため池の水を抜く作業員=29日、出水市野田町下名
バキュームホースでため池の水を抜く作業員=29日、出水市野田町下名
 鹿児島県出水市野田の養鶏場で発生した高病原性鳥インフルエンザの殺処分埋却地から液体が漏出した問題で、県は29日、液体が流れ込んだため池の水を抜く作業を始めた。悪臭を抑えるための措置で、完了は年明けになる。

 埋却地は採卵鶏41万羽を飼っていた発生農場に隣接。県は8日までに殺処分した鶏など930トンを埋めたが、間もなく埋却地近くのため池が消石灰混じりの液体で汚染された。

 29日はため池から約200トンの水を抜き、鹿児島市の民間処理施設に運んだ。30日も同量を抜き、水位の変化を見ながら今後の作業を進める。作業に立ち会った県畜産課の田中和宏課長は「できるだけ早く解消したい」と話した。県は鶏の死骸などを別の場所に埋め替えることも検討している。

 ため池からつながる川の底にも白っぽい物質が沈殿しており、近くの70代女性は「臭いがひどく、今は知人の家に避難している。川の対策も急いでほしい」と訴えた。