買い物弱者の味方でした…100年続いた佐多郡唯一の商店、大みそかに閉店

 2022/12/30 21:21
100年以上の歴史に幕を閉じる西村商店の店主の西村タミ子さん(右)、長男の信一さん=南大隅町佐多郡
100年以上の歴史に幕を閉じる西村商店の店主の西村タミ子さん(右)、長男の信一さん=南大隅町佐多郡
 鹿児島県南大隅町佐多郡で100年以上続いた地区唯一の店「西村商店」が31日で閉店する。夫亡き後も切り盛りしてきた店主西村タミ子さん(89)が高齢を理由に決断した。「いろいろな思い出がある。地域に感謝している」と語った。

 長男信一さん(66)によると、祖父の甚蔵さん(故人)が酒や伐採した木材を販売したのが始まり。父三郎さん=2004年死去=が継ぎ、食料品や衣類など商品を増やした。70年ほど前にタミ子さんが嫁ぎ、夫婦で営んできた。

 町によると、郡地区は人口320人、高齢化率71%。最寄りのスーパーまで約7キロあり、地区に欠かせない店だが、売り上げ減やレジ打ち、仕入れなどが難しくなり、半年ほど前から閉店を考え始めた。

 地区の自治会長らでつくる郡新生会の白川順二会長(71)は「買い物弱者が多い郡を守ってくれた。感謝」と語った。タミ子さんは「閉めるのは残念だが仕方がない。地域の人が困らないよう、移動販売車の回数を増やしてほしい」と話した。

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