私は「プラスチックの人」 元銀行員が廃プラの再利用・商品化を副業とするワケとは
2023/01/11 12:05

自作の機械で体重を掛けプラスチックを成形する岡田香織さん=日置市伊集院町大田
都市部から地方に移住して活性化に取り組む「地域おこし協力隊」と「卒業生」が、鹿児島県内各地で活躍している。才能や経験を生かして興味深い活動をしたり、地域の隠れた魅力を掘り起こしたり。卯(う)年の幕開けに合わせ、地域を飛躍させるようと頑張る人たちを紹介する。
小柄な体の全体重を掛けレバーを引くと、色鮮やかなコースターが出来上がった。日置市の地域おこし協力隊「サキガケ日置市(移)民」岡田香織さん(31)の“副業”だ。原料は吹上の入来浜で拾ったペットボトルキャップなどの廃プラスチック。廃プラを粉砕したり、加熱・成形したりする機械も自作した。
東京都新宿区出身。東京農工大学を卒業後、銀行勤めを経て2019年から1年間、青年海外協力隊としてマレーシアで活動した。学生時代から環境問題に関心があった。現地でプラスチック汚染の現状を目の当たりにし、廃プラの再利用に取り組む決意を固めた。
1年前、廃プラ粉砕機を製作するため南さつま市を訪れた。2週間の滞在予定だったが、居心地がよく半年過ごした。その間、協力隊員を募集する全国の自治体を調べ、やりたいことができる日置市に応募した。
イベントなどで「プラスチックの人」を名乗りプラごみ処理について啓発している。関連映画の上映も計画中。副業は同市のリサイクル会社「丸山喜之助商店」の一角で製作・販売するほか、オンラインショップhttp://www.shipbackplastic.comも立ち上げた。
「日置は車なしでは生活できないのが不便だが、野菜や魚が新鮮でおいしい。温泉が多いのも魅力」と岡田さん。「アジアやアフリカで、本当に困っている人たちとプラごみの再生に取り組みたい」と将来を見据える。
▼地域おこし協力隊▼
都市部から過疎地域などへ移住し、地域活性化の事業や住民生活の支援、農林水産業に従事する。2009年度に始まった国の制度で、隊員の地域への定住・定着を図る狙いがある。任期は原則1~3年。国は隊員への報酬や活動経費として、受け入れ自治体に対し1人当たり年480万円を上限に財政支援する。
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