鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地整備計画について「不同意」とする公約を破ったとして、八板俊輔市長のリコール（解職請求）を目指した市民団体「市長に辞任を求める西之表市民の会」は４日、同市民会館で会見し、必要署名数に達せずリコールを断念したと報告した。三宅公人代表（７０）は「計画反対派の声を結集できず少数派になった。力が至らなかった」と述べた。

　１日までの期限に集めた署名は６７８人分。同市の昨年１２月１日現在の選挙人名簿登録者数は１万２３２６人で、リコールの賛否を問う住民投票の実施には３分の１に当たる４１０９人以上の署名が必要だった。

　会見には団体メンバー８人が出席。「拾いきれなかった声がたくさんある。本来それを拾うのは市長や行政の仕事。どんな形でも取り上げてほしい」「現状では駄目だと思っている市民がいることを市長は受け止めて」などと訴えた。

　団体は会見に先立ち、八板市長に改めて辞任を求める文書を市に提出した。これを受け、八板市長は「市民の安心・安全の追求に引き続き全力を尽くし、市民の期待に応えるよう職責を果たす」とのコメントを出した。