障害者施設で虐待 閉じ込め、暴言など10件 鹿児島市が運営法人に改善指導 3年前にも同じ法人の施設で4件

 2023/01/06 07:57
鹿児島市役所
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 鹿児島市の社会福祉法人「青鳥会」が運営する障害者支援施設で、20〜40代の男女職員5人が入所者を居室に閉じ込めたり、暴言を吐いたりする虐待をしていたことが5日分かった。市は身体的、心理的虐待が計10件あったと認定。昨年12月1日付で法人に対し文書で改善を指導した。

 法人によると、昨年7月に職員1人が、他の利用者を攻撃しようとした入所者を6畳一間の本人の居室に外から鍵をかけ約4時間閉じ込めた。この間の昼食は提供しなかった。この職員は別の日の昼食も半分の量に減らした。5月には別の職員が同じ入所者を居室に閉じ込めた。

 そのほか、散髪前の順番を静かに待てなかった入所者の頭を職員がたたいたり、「ばか」と暴言を吐いたり、つばや水でぬれた服をすぐに着替えさせなかったりした。虐待を受けた入所者は計5人で、いずれもけがはなかったという。

 複数の職員が施設側に報告して発覚し、法人は昨年7月に市へ通報。内部調査を進め職員5人を懲戒処分にし、2人は退職した。市は9月、障害者虐待防止法に基づく立ち入り調査を実施。12月27日に提出を受けた改善計画書を今後精査し、必要に応じて再提出を求める。

 法人内では2020年7月にも今回と同じ施設を含む2施設で4件の虐待が認定された。武睦子理事は「法人、事業所単位で虐待防止委員会を開くなど再発防止に取り組んできたが、職員一人一人に浸透していなかった。管理体制の明確化や職員の人権意識を高める研修の充実、職員の余裕を生む人員配置に努めていく」と話した。