3シーズンぶりインフル流行入り 19歳以下が63% コロナと同時で子ども世代に大流行の懸念 鹿児島県内

 2023/01/07 11:00
【資料写真】子どもの患者を診察する医師(左)=鹿児島市の「かごしまたんぽぽ小児科」
【資料写真】子どもの患者を診察する医師(左)=鹿児島市の「かごしまたんぽぽ小児科」
 鹿児島県は6日、インフルエンザが県内で流行入りしたと発表した。1日までの1週間で定点91医療機関から報告された患者数が1機関当たり1.02人となり、流行の基準1.0人を上回った。流行入りは2019年9月以来、3シーズンぶり。

 県は、感染が急拡大している新型コロナウイルスとの本格的な同時流行を警戒。「どちらも基本的な対策は変わらない。手指消毒や換気を徹底し、打てる人はワクチンを打ってほしい」と呼びかけている。

 県によると、1日まで1週間の定点機関からの患者報告数は93人。前々週10人(定点当たり0.11人)、前週22人(同0.24人)から増加している。

 93人のうち、10代が33人、10歳未満が26人と、19歳以下の子どもや若者が全体の63%を占めている。20代が17人で続き、30代は6人、50代4人、40代、60代、70代各2人、80歳以上1人となっている。

 保健所の管内別では、名瀬が定点1機関当たり5.80人と突出。指宿が1.67人で続き、出水、徳之島1.40人、鹿屋1.13人、鹿児島市1.0人などとなっている。

 県内定点の患者報告数は、18年9月~19年3月シーズン、その翌年同期いずれも2万人を超えていた。しかしコロナの感染が拡大した20~21年は24人、21~22年は27人と激減。この2シーズンはインフルエンザ流行はなかった。

 そのため集団免疫の低下による子ども世代を中心とした大流行が懸念され、県内医療機関も同時流行への危機感を強める。

 鹿児島市の「かごしまたんぽぽ小児科」では年明けからインフルエンザの患者が急増。年末は1週間で1、2人だったが、ここ数日は毎日4、5人の患者を診察。コロナも連日十数人の新規感染者を診る。

 山元公惠院長は「発熱患者の場合、より慎重に感染対策を取る。そのため一人にかける時間が長くなり、スタッフも疲弊しつつある。これから学校が再開すると、感染が爆発する可能性もある。それぞれが対策を徹底してほしい」と訴える。