先制されエンジン始動、勝ちパターンの展開 でも「国立の舞台ではふわふわした」 まさか…PK戦に泣いた赤いタレント軍団【高校サッカー神村3位】

 2023/01/08 15:14
後半24分、3点目を決め、仲間の祝福を受ける神村・中江(左から2人目)=国立競技場
後半24分、3点目を決め、仲間の祝福を受ける神村・中江(左から2人目)=国立競技場
 第101回全国高校サッカー選手権準決勝は7日、東京都の国立競技場であった。鹿児島県代表の神村学園は、岡山学芸館と90分を戦い3-3の同点、PK戦(1-4)の末に敗れた。同校初の決勝進出はならず3位だった。

■「こんなに応援されるチームで幸せ」

 16大会ぶりに戻ってきた国立で、神村は堂々の攻撃的なサッカーを見せ、散った。FW陣の連係、精度の高いフリーキック、コーナーキックからの得点-。観客を魅了する多彩な攻撃パターンでシュート14本を浴びせたが、PK戦で涙をのんだ。

 準々決勝までの3試合は、すべて先制点を奪われた。この日も前半6分に失点。だが劣勢がエンジン始動の合図とばかりに、攻撃が活性化する。潤滑油を差した歯車のように、滑らかなパスワークでゴールに迫り、前半38分に福田師王のゴールで追いつく。後半14分には、大迫塁のフリーキックで2-1と勝ち越した。

 その後、不意を突かれた。「それぞれ1対1では負けないと思っていても、国立の舞台ではふわふわした」とDF中江。クロスやミドルシュートに対応できず、2度のリードを、いずれも4分以内に追いつかれた。相手の粘りがすさまじかった。

 超高校級の福田と大迫の背中に引っ張られるように、今大会は全員が成長した姿を見せた。球際に強いMF笠置が守備で存在感を放ち、FW西丸が動き回って好機を演出した。有村圭一郎監督は選手たちに伝えた。「今日のブロンズのメダルは、今後の努力次第でシルバーにもゴールドにも変えられるよ」

 国立競技場の約2万人の観衆に加えて、鹿児島県民にも勇気と感動を与えた神村イレブン。県勢として14年ぶりの4強入りを果たし「鹿児島サッカーここにあり」とレベルの高さを示した。3年笠置は「すごいメンバーとすごい先生方と、こんなに応援されるチームで幸せだった」と、笑顔でピッチを去った。

(結果詳細は南日本新聞でご覧になれます)

特集「全国高校サッカー選手権」