「噴火警戒レベル5」想定 桜島から島外避難訓練 バス、フェリーで2地区住民が鹿児島湾対岸の中学校へ 避難所生活も体験

 2023/01/08 15:42
避難所近くに到着したバスから降りる桜島島民=鹿児島市樋之口町
避難所近くに到着したバスから降りる桜島島民=鹿児島市樋之口町
 噴火警戒レベルが3(入山規制)から5(避難)に段階的に上がり、島外避難指示が出た想定。2022年11月に実施した島内避難と対になる訓練で、島民の参加地区と避難先を変えながら毎年実施している。25人は市バスとフェリーを使い約80分かけて避難した。

 到着後、島民と市街地側住民は、避難所運営を担当する市職員から説明を受けた。避難が長期化した場合は住民同士の協力が不可欠として、避難所生活の説明・体験時間を45分から60分に拡大した。

 12月で終了した噴火緊急速報メールの代替措置についての説明もあった。「届く情報はこれまでと変わらない」とする一方、「詳しい内容については防災無線で伝える」とし、民間の防災アプリへの登録も呼びかけた。

 桜島二俣町のパート、宮脇卓さん(66)は、「実際に島外に避難するのは貴重な体験。ただ、多くの住民が避難した場合に収容しきれるか不安も感じた」と話した。

 1月12日で桜島の大正噴火から109年となる。視察した下鶴隆央市長は「噴火の教訓を、今日参加してくれている中学生など次世代へ伝えていくことが重要。防災教育を充実させたい」と話した。