児童文学作家・椋鳩十が作詞 58校の校歌紹介 現地取材重ね、風土織り込む すでに14校が閉校 29日まで姶良の記念館

 2023/01/08 14:49
椋鳩十
椋鳩十
 鹿児島県姶良市加治木の椋鳩十文学記念館で企画展「校歌と椋鳩十」が開かれている。椋が作詞した、その土地の自然や風土を感じさせる58校の校歌や推敲(すいこう)ノートの写しを展示。同市の蔵王岳が登場する柁城小校歌など、一部は録音を聞くことができる。29日まで。

 制作年が分かる歌詞のうち、最も古い校歌は1950年の旧上甑村の中津小。以来、亡くなる前年の86年の秋葉中学校(横浜市)まで県内56、県外2の小中学校、高校や専門学校の校歌を作詞した。本名の「久保田彦穂」で残した作品も多い。

 展示会場の壁面には山や川、海が描かれ、歌詞から思い描くことができる情景に合わせて歌詞カードが配置されている。椋が携わった校歌の歌詞は、地域性や風土の特徴が織り込まれ、何度も現地に足を運んで入念に取材した上で制作されたことが推察できる。

 同館の浜田耕一館長(61)は「未来ある子どもに希望を感じさせる歌詞が多い。14校が閉校しており、音源があれば情報提供してほしい」と話している。

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