逆に新鮮…デビュー30年「マンダリンロボ」 デジタル時代の子どものハートをわしづかみ

 2023/01/09 11:02
にぎやかに演奏するマンダリンロボット=長島町鷹巣
にぎやかに演奏するマンダリンロボット=長島町鷹巣
 どこか懐かしいリズミカルな音楽に合わせて動く果物や野菜のキャラクター。今年開館30年を迎える鹿児島県長島町のミカン博物館・日本マンダリンセンターのロボットが、じわり人気を集めている。当初から変わらない仕掛けに、施設関係者は「30年の時を経て新鮮に映っているようだ」と思わぬ活躍ぶりに驚いている。

 博物館は、温州ミカン発祥の地とされる旧東町(現長島町)が1993年10月に開設した。ロボットは東京の会社が製作し、館の目玉として玄関に据えられた。

 ロボット名は「マンダリンちゃん」。作動すると顔部分が上昇し、中からかわいらしいミカンやナスなどが登場。幅約1.7メートルの台座で規則的に体を揺らし、楽器を演奏する。歌は2種類あり、「マンダリンリン」など印象的なフレーズを繰り返すのも特徴だ。

 2000年代に入り来館者は伸び悩んでいたが、本年度後半から新たなイベントを次々に開催。ロボットに再び注目が集まるようになった。親世代は「昭和の雰囲気が懐かしい」と写真や動画を次々に撮影。子どもらも食い入るように見つめる。町内の城川内小5年大島蒼太君は「目の前でキャラクターが動くのが面白い」と語る。

 昨春から指定管理者を務める山上農園(同町浦底)の山上博樹代表(52)は「デジタル全盛の時代、実物が動くという仕掛けが子どもの心を捉えているのだろう」と話している。