わずか12平方メートル…おそらく“日本一小さな”礼拝堂は眺望もすごい 桜島と鹿児島湾を一望に

 2023/01/09 20:40
桜島と鹿児島湾を望む礼拝堂と松下兼介館長=霧島市福山の寒山公園
桜島と鹿児島湾を望む礼拝堂と松下兼介館長=霧島市福山の寒山公園
 霧島市福山の松下美術館は、北東側山手の寒山公園に“日本一小さな”礼拝堂を整備した。松下兼介館長(79)は「鹿児島湾と桜島が一望できる絶景を楽しんでほしい」と呼びかけている。

 広さ12平方メートルで、中にはイタリア製のマリア像とかつて同市福山にあった「セブンスデーアドベンチスト大隅福山教会」のステンドグラスが置かれている。ギリシャ神殿をモチーフにした吹き抜けの造りで柱には加治木石を使った。

 松下さんの父で初代館長の兼知さん(1905~89年)が、59年にイタリア旅行をした際、サレルノの丘に十字架が立つ景色の美しさに感動。81年、私有地に高さ13メートルの十字架を設置し、寒山公園を整備した。

 公園は雑草や木に覆われて長年荒れた状態となっていた。松下さんは「コロナ下で暗い話題が続く中、心癒やされる場所を作りたい」と半年かけて十字架横に礼拝堂を設け景観を整えた。「おそらく日本一小さな礼拝堂。宗派にこだわらず気軽に訪れてほしい」と話している。

 国道220号の宮浦宮の交差点を牧之原方面に約2キロ進んだ急カーブで右折し、約1キロ進む。事前に同美術館=0995(55)3350=へ連絡。