大正時代から続く伝統「でで落とし」 消防団が放水で狙う、12メートル上の籠 中身は何? 阿久根・尾崎地区

 2023/01/10 21:04
かごに入ったダイダイなどを放水で落とす消防団員=阿久根市山下の尾崎地区
かごに入ったダイダイなどを放水で落とす消防団員=阿久根市山下の尾崎地区
 鹿児島県阿久根市の尾崎地区で8日、高さ12メートルの籠に入ったダイダイを消防団の放水で落とす「でで落とし」があった。大正時代に始まったとされる伝統行事。団員は冷水を浴びながら火災のない一年を願った。

 「でで」は地元でダイダイの意味。山下分団尾崎班(団員8人)が市の出初め式後に毎年披露している。

 尾崎小学校4年の尾崎琉唯斗君が昔ながらの手動式サイレンを鳴らして放水開始。団員が筒先を竹に取り付けた籠に向け、ダイダイやボンタンなどを落とすたびに住民の拍手が起きた。

 放水後は恒例の餅まきもあった。分団長の若松隆洋さん(42)は「親から受け継いだ伝統を守り、地区全体で防火意識を高めたい」と話した。