馬毛島の自衛隊基地着工 作業員の乗せた船が出港、滑走路など先行し造成 防衛省

 2023/01/12 10:06
作業員を乗せ、馬毛島に向けて出発する船=12日午前9時5分ごろ、西之表市の住吉漁港
作業員を乗せ、馬毛島に向けて出発する船=12日午前9時5分ごろ、西之表市の住吉漁港
 防衛省は12日、鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備計画で、環境影響評価(アセスメント)の最終まとめとなる「評価書」を公告した。同市の住吉漁港から作業員を乗せた船が馬毛島へ出港、基地本体工事に事実上着手した。工期は4年程度としている。滑走路などを先行して造成し、早ければ2025年度にFCLPが始まる可能性がある。

 事業者の防衛省九州防衛局熊本防衛支局が同日午前9時、評価書の縦覧を開始した。同9時10分ごろ、同市住吉漁港から馬毛島に向かった船には10人以上の作業員が乗り込んだ。同日中にも伐採作業を始める。

 21年1月の西之表市長選で計画反対を掲げ再選した八板俊輔市長は賛否を明言していない。地元首長の同意表明がない着工は異例。ただ、島内の市有地を売却するなど防衛省への協力姿勢は示している。塩田康一知事は昨年11月の県議会で「理解せざるを得ない」と容認する考えを明らかにした。

 計画を巡っては、日米両政府が11年6月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で馬毛島をFCLPの移転候補地として明記。22年1月に「整備地」と決めた。