3年ぶりに戻った外国人観光客 「チャーター便には対応できるが…」受け入れ側の本音が切実 定期便再開へ残る課題とは
2023/01/13 11:28

国際線ターミナルの総合案内所隣の棚に韓国語のパンフレットを並べる空港職員=12日、霧島市溝辺町麓の鹿児島空港
国際線ターミナルの総合案内所では同日、職員が棚に韓国語のパンフレットなどを並べて出迎えた。近くには韓国語で空港内の飲食店や土産物屋を紹介する看板も設置。鹿児島空港ビルディングの広谷沙耶旅客サービスセンター主任は「久しぶりに外国人客でにぎわい、うれしい」と喜んだ。
国際線ターミナルビルは2020年に増改築後、初の受け入れ。県内の多くの関係者が出迎える姿に、古薗宏明社長は「定期路線の再開に向けた期待を強く感じた」と話す。
今回ほとんどの客がゴルフ場を利用する。韓国では冬場は凍結して使えなくなるためだ。ホテルも備える祁答院リゾート(薩摩川内市)では、チャーター客用に用意した部屋が全て予約で埋まった。崔寅吉(チェインギル)総支配人は「県外や国外客の比率が高いホテルなので、チャーターはとても助かる」と今後の客数増にも期待する。
本格的な旅客回復のかぎとなる定期便再開へ、大きな課題が人手不足。地上業務を担う南国交通(鹿児島市)の担当役員は「チャーター便には対応できる状況になったが、コロナ禍前のように複数社が飛ばすとまだまだ足りない」と明かす。今春には新卒21人の採用を予定するなど「積極的に人材確保を進めている」。
かごしま空港36カントリークラブ(霧島市)も、送迎の運転手など人員が減り、今回のチャーター便の客は人数を絞って会員のみ受け入れる。「定期便再開に向けて、まずは今回の受け入れが円滑に進むか見極めたい」と担当者は話す。
空港近くの観光施設「バレルバレープラハ&GEN」(同市)の山元紀子社長は「高付加価値の商品作りなど各施設は準備を整えている」として定期便復活を待ち望む。その上で「2次アクセスをどうするのか。面での受け入れ態勢を整えなければ、他県との誘客競争に負けてしまう」と懸念を示した。
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