田植えに間に合うよう急げ…消石灰で白く濁ったため池の水、抜き取り始まる 出水

 2023/01/13 15:00
バキュームホースで消石灰を吸い取る作業員=12日、出水市高尾野
バキュームホースで消石灰を吸い取る作業員=12日、出水市高尾野
 鹿児島県出水市高尾野の農業用ため池に高病原性鳥インフルエンザの防疫対策に使った消石灰がたまっている問題で、県は現地で取り除く作業を始めた。12日はフェンスで仕切った一角に浮く白い固形分を吸い取った。

 ため池の白濁は昨年12月上旬に確認された。県畜産課によると、近くの発生農場の防疫措置や、周辺農家の敷地や道路に予防でまいた消石灰が雨で流れ込んだとみられる。一時は水路を通じて江内川に流出し、白く濁る現象も発生。池を管理する土地改良区がゲートを閉じていた。

 池の下流側には水田約35ヘクタールがあり、改良区の柳ケ水繁理事長は「早期米は3月中旬には水入れが始まる。対応を急いでほしい」と話した。

 県は、殺処分の埋却地から漏出した液体で汚染された同市野田のため池でも、昨年末から水を抜く作業を進めている。