ゼネコン勤務から転身 地域に住み込み空き家再生の〝大工さん〟に 大分出身の27歳女性が協力隊に就任 南さつま

 2023/01/15 14:37
清原の住民と活躍を誓う橋口里菜さん(右)=南さつま市坊津町泊
清原の住民と活躍を誓う橋口里菜さん(右)=南さつま市坊津町泊
 鹿児島県南さつま市に空き家再生の地域おこし協力隊が就任した。鹿児島大学で建築学を専攻した大分市出身の橋口里菜さん(27)。金づちやのこぎりを使った経験もある。坊津町泊の清原地区で空き家を活用した街づくりをするほか、空き家改修の“大工さん”になりきる。

 大学では修士課程に進み鹿児島市のドルフィンポート跡地を構想する課題に取り組んだ。卒業後はゼネコンに就職し、マンションや店舗施工の現場監督を務めた。ただ、仕事は人の差配や事務処理。元々アウトドア派で、現場で生き生きと働く職人さんたちと付き合い、「自分も現場に出たい」との希望を強くした。

 そんな時、子育て世代の移住・定住に向けた空き家再生専門の南さつま市の地域協力隊募集を知り、「やりたいこととぴったり」と転身を決めた。昨秋1泊して、受け入れ先の清原地区元気づくり委員会の面接を受け、合格点をもらった。

 同市協力隊は4年ぶりで初の地域派遣型。最大3年の任期中は清原の空き家に自身も住み込み、初年は地域を歩いて空き家マップを作る。最終年は移住体験施設となるお試し住宅を自分の手で整備する。学生時代にワークショップで小屋などの建設に関わり、大工道具の扱いはお手の物だ。

 1月1日付で就任した橋口さんは「地域の人たちはみんなウエルカムの気持ちがあり優しい。楽しく働けそう」と笑顔。交流サイト(SNS)で坊津の魅力発信にも励み、「清原モデルが他の地域に広がって活性化の役に立ちたい」と願う。