青銅、ガラス、石…出土品の素材を見れば歴史が分かる 鹿児島市・ふるさと考古歴史館で常設展示

 2023/01/16 14:38
加工技術が高く材質もよかったという石の出土品=鹿児島市下福元町のふるさと考古歴史館
加工技術が高く材質もよかったという石の出土品=鹿児島市下福元町のふるさと考古歴史館
 鹿児島市下福元町のふるさと考古歴史館は新年を機に、常設展示品の一部を入れ替えた。「マテリアルヒストリー」と題し市内の遺跡から出土した約180点を青銅やガラス、石など素材別に分類し並べた。時代で異なる用途や加工法から郷土の歴史をたどることができる。12月24日まで。

 青銅のコーナーには、上福元町の不動寺遺跡で見つかった権力の証しとされる破鏡(弥生時代後期)や、時代を経るにつれ日常品として出土する硬貨やさじ、ふたなどを展示する。

 ガラスは、古墳時代にアクセサリーとして使われていた玉や、19世紀末以降多く製造された薬剤瓶など多様な品が並ぶ。当時の経済状況などが分かり、考古学界で研究が盛んという。

 ほかに、残存が少ないという鉄や木製品、廃仏毀釈(きしゃく)で壊されたと考えられる石像などもある。学芸員の野元勇介さん(28)は「時代によって素材の生かし方が変遷するのが面白い。保存の状況で時代背景も見えてくる」と見どころを話す。

 常設展示は観覧料が必要。小中学生150円、高校生以上300円。