卒業証書は伝統の伊崎田和紙 中学3年生と小学6年生が手すきに挑戦 「受け取るのが楽しみ」 志布志

 2023/01/16 21:02
手ほどきを受けながら紙すきする児童=志布志市有明の伊崎田学園
手ほどきを受けながら紙すきする児童=志布志市有明の伊崎田学園
 鹿児島県志布志市有明の小中一貫型教育校の伊崎田学園で13日、伝統の伊崎田和紙作りがあった。小学6年生と中学3年生が自分たちの卒業証書に使うため、地元保存会の手ほどきを受けながら丁寧に手すきした。

 伊崎田和紙は昭和40(1965)年代まで特産品として作られていたが一時期廃れ、89年に保存会が発足し、復活させた。例年、卒業証書用に児童生徒が手作りしている。

 和紙作りは保存会会長の国重賢一郎さん(49)が学園内の郷土資料室で指導。小学6年生は11人が参加し、原料となるカジの木の樹皮を水中でほぐし、のりを混ぜた。簀桁(すげた)と呼ばれる道具を使って繊維をすくい、水切りを繰り返した。

 和紙は圧搾や乾燥などの工程を経て完成する。終了後、川添依莉亜さんが「伊崎田の伝統が受け継がれた卒業証書を受け取るのが楽しみ」とお礼の言葉を述べた。国重さんは「和紙作りが子どもたちの記憶に残ってくれたら」と話した。