教員の「過度な叱責」懲戒処分対象に 鹿児島県教委が指針改正 担任指導後に自殺した生徒の遺族ら要望

 2023/01/19 11:55
 鹿児島県教育委員会は18日、学校職員に関する懲戒処分指針を改正し、過度な叱責(しっせき)といった「不適切指導、言動」を新たに処分対象とした。同日の定例会で決めた。2018年9月、担任の特別指導後に自殺した鹿児島市の公立中学3年男子生徒=当時(15)=の遺族らの要望で、国が教員用手引書「生徒指導提要」を改訂したことを踏まえた。2月1日から適用する。

 過度な指導で、自殺や精神疾患といった児童生徒の生命や心身に大きな被害が生じた場合を想定。心身に症状が現れなくても、教職員が該当行為をしたと客観的に判断される場合も「その態様、児童生徒の状況等に応じて、処分を決定する」とした。

 処分は免職、停職、減給、戒告の4段階。今後県立学校と市町村教委に改訂を通知し、「不適切な指導」にあたる行為例と併せて学校現場への浸透を図る。

 男子生徒の当時の担任は昨年7月、戒告処分を受けた。生徒の母親は同11月に塩田康一県知事と面談し、指針改訂や提要の周知を求めていた。改訂について「不適切な指導の具体的な内容が現場に伝わることを期待したい」と話した。