ワインの名店「岡山酒店」が22日閉店 店主夫婦の目利きにファン多く、最後まで客足途切れず 鹿児島市

 2023/01/19 21:20
多くのワイン好きを育てた岡山酒店=19日、鹿児島市の荒田1丁目
多くのワイン好きを育てた岡山酒店=19日、鹿児島市の荒田1丁目
 “ワインの名店”と親しまれた「岡山酒店」(鹿児島市荒田一丁目)が、22日に閉店する。店主の岡山宏さん(63)と妻の美香さん(60)が二人三脚で営んできたが、高齢の両親の介護などを考慮して決めた。営業終了を周知した年明け以降、夫妻の選んだワインを求める客が殺到している。

 製薬会社の営業職だった岡山さんは1986年、父親が倒れたのを機に実家の酒店を継いだ。その際目を付けたのが、ワイン。仕事柄接待の席が多く、おいしさに目覚めていた。焼酎やビールが全盛の鹿児島で「ワインを広めたい」と考えた。

 「自分の舌で真剣にワインに向き合おう」と毎年のように欧州や南米のワイナリーを訪問。「人に会うのも好きだし、ものを作る人が好き」という性格もあり、店頭には500種類もの銘柄が並ぶように。美香さんも人当たりの良さと豊富な知識で顧客の信頼を集め、店は市内外に知られた。

 仕入れを頼る飲食業者も多かった。天文館で小料理店を営む須崎智代さん(85)も、ワインは岡山と決めていた。「いつもしっかりした商品を紹介してもらい、お客さんにいいワインを提供できた」と感謝する。

 名残を惜しむ客は途切れず、仕入れを追加しても店の四方を囲むワイン棚は次々と空いていく状態。夫妻のファンから次々と花も届いている。岡山さんは「二人で成り立ってきた店。自分の人生に妻を引っ張り込んでしまったという思いもある。しばらくゆっくりしてほしい」と美香さんをいたわる。今後について「鹿児島にはいい食材もある。アルコールに関わる仕事はやっていきたい」と話した。