「ふるさとづくり大賞」最優秀に甑島の山下賢太さん(37) 耕作放棄地や古民家活用、移住促進…幅広い事業評価

 2023/01/20 09:45
ふるさとづくり大賞で最優秀賞を受賞した山下賢太さん(本人提供)
ふるさとづくり大賞で最優秀賞を受賞した山下賢太さん(本人提供)
 総務省は19日、地域活性化に貢献した個人・団体に贈る「2022年度ふるさとづくり大賞」を発表し、最優秀賞(内閣総理大臣賞)に鹿児島県薩摩川内市里の山下賢太さん(37)が選ばれた。生まれ故郷の甑島で1次産品の生産・加工や観光、移住定住促進などの事業に取り組んでいる。県内からの最優秀賞は18年度の柳谷集落(鹿屋市、通称やねだん)の町内会長豊重哲郎さん以来4年ぶり。

 山下さんは12年に「東シナ海の小さな島ブランド株式会社」を設立。「価値がなくなったとされるものに光を当て、今あるものを大事にする」ことを目指し、耕作放棄地を活用した米作りや、古民家を改修した店舗、宿泊施設の運営に取り組む。

 事業を通して地元の交流拠点づくり、雇用創出にも貢献。次世代によりよいふるさとを残していくため、多様な展開をしている点が受賞理由となった。山下さんは「評価されてありがたい。人材不足や空き家問題など地域にはまだまだ課題もある。未来への“可能性”と考えて解決に向けた挑戦を続けたい」と話した。

 このほか、優秀賞に情報通信技術(ICT)を活用して鳥獣対策に取り組む熊本県宇城市の団体を含む3件、奨励賞などに25件が選ばれた。表彰式は2月10日に東京都内で開かれ、山下さんらが事例発表をする。

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