その校則、理不尽じゃない? 公立高校で見直し広がる ホームページ公開も続々、生徒や教師が対話重ねる学校も
2023/01/20 11:55

生徒、保護者、教員の3者で校則について意見交換する校則検討委員会=鹿児島市の錦江湾高校(同校提供)
生徒指導提要は、児童生徒との関わり方や不登校・いじめに対する指導法を記載した教員向けの手引書。2022年に12年ぶりに改訂され、文部科学省は12月初旬に公表した。
児童生徒が決まり事を主体的に守れるよう意義や背景を示す重要性を明記。校則是正に向け、普段から学校内外の人が参照できるようHPに公開することが適切とし、見直し手続きの手順の明文化も推奨した。
南日本新聞の調査でHPに校則を公表している全日制県立高校は、全61校のうち錦江湾、曽於など5校。改訂前から掲載している学校もあり「どんな校則があるか地域の人に知ってもらうため」「高校選びをする中学生が見られるように」との理由が多い。指宿、徳之島など7校は4月の公表に向け準備を進める。
錦江湾高は12月初旬に公表した。3年生から「不合理な校則を教師らと直接話し合う場がほしい」という要望を受け、生徒、教員、保護者の3者で校則検討委員会を設置。多様性の配慮に欠け、合理的説明が難しいものは3月までに見直し、その後も定期的に検討する工程表もHPに掲載した。
12月下旬に開いた第1回検討委では髪型をテーマに3者が意見交換した。生徒約570人と保護者に実施したアンケートで「頭髪検査が厳しい。頻繁な検査は金銭面でも負担」「なぜ男子の前髪だけ眉上なのか。男女差別だ」などと批判的な意見が多かったからだ。
意見交換で3年坂元一姫さんは「検査する教師によって基準があいまいで、ふに落ちない」と強調。3年八丸和樹さんは「生徒だけでなく、学校に関わる人全員が納得できる校則が必要。後輩たちが理不尽な思いをしないようルールの踏襲を自分たちの代で終わらせたい」と訴えた。
福永広隆校長も「今の校則は改善すべき点が多く、教員にとっても考える機会になる」と力を込める。「生徒にとって学校は一つの社会。対話を重ねて校則を作りあげる“学校内民主主義”の経験は主権者教育にもつながる」と期待する。
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