行動制限緩和が影響か…鹿児島県内の刑法犯、14年ぶりに増加 摘発率は8.3ポイント下がる

 2023/01/21 10:00
 2022年に鹿児島県警が認知した刑法犯は前年より472件多い5113件で、08年以来14年ぶりに増加に転じた。全体の約7割を占める窃盗犯が増えたことが影響した。摘発率は45.5%で前年より8.3ポイント下がった。20日の定例会見で暫定値を公表した。

 21年まで12年連続で戦後最少を更新し、21年は5000件を下回っていた。

 窃盗犯は前年比213件増の3414件。自転車盗などの「街頭犯罪」が増えており、有嶋悟刑事部長は「新型コロナウイルス対策の行動制限が緩和され、人の流れが増えたことも一定程度影響していると考えられる」と述べた。

 知能犯は129件増の278件で前年を大幅に上回った。このうち、うそ電話詐欺は58件と倍増。被害額は約4700万円増の約7900万円で、架空料金請求と還付金詐欺が増えた。コロナ対策の給付金をだまし取る詐欺も増加した。

 このほか、粗暴犯376件(前年比14件増)、風俗犯69件(同16件増)、凶悪犯39件(同2件増)。殺人や強盗などの重要犯罪は15件増の92件だった。

 薬物事犯の摘発数は前年比5人減の63人で、大麻35人、覚醒剤25人、麻薬および向精神薬3人。30歳未満の若年層が全体の62.9%を占めた。

 野川明輝本部長は「特別国民体育大会(鹿児島国体)など大規模行事も控える。身近な事件事故の抑止をはじめ、警察に対する県民の理解を得られるよう努めたい」と話した。