殺処分した鶏の埋立地から液体漏れため池汚染、鹿児島県が問題点検証へ【鳥インフルエンザ】

 2023/01/21 12:14
【資料写真】埋却地から漏出した液体で汚染されたため池=出水市野田
【資料写真】埋却地から漏出した液体で汚染されたため池=出水市野田
 鹿児島県の塩田康一知事は20日の定例会見で、高病原性鳥インフルエンザの殺処分埋却地から液体が漏出した問題に絡み、埋却地の選定・確認や作業方法について改善すべき点がないか検証する考えを明らかにした。液体は近くのため池を汚染しており、住民から「地盤に問題があったのではないか」との指摘が出ていた。

 漏出があったのは出水市野田にある殺処分埋却地で、41万羽の鶏など約930トンが埋められている。県は防疫対策マニュアルに基づいて作業したが、防疫措置完了直後から、ため池に消石灰混じりの液体が流れ込んだ。

 飼養衛生管理基準では、生産者は家畜伝染病発生に備えて埋却地を用意する必要がある。塩田知事は「今回のような被害を防ぐには、予定地が埋却に適しているかどうか、県もあらかじめ把握しておく必要がある。今後対策として検討していきたい」と述べた。

 マニュアルの見直しについては、「具体的に予定しているわけではない」とした上で「(今回の被害は)埋却の手順や工法に問題があったのか、埋却物の量が多すぎたのかなど、いろんな要因が考えられる。他県の例も確認しながら対策を考えたい」とした。