サッカースタジアムはどうなった?…鹿児島商議所がまとめた街づくり提言書でスルーされる

 2023/01/21 12:48
鹿児島商工会議所がまとめた街づくりビジョンに関わる提言
鹿児島商工会議所がまとめた街づくりビジョンに関わる提言
 鹿児島商工会議所(岩崎芳太郎会頭)は20日までに、鹿児島市の中心市街地と鹿児島港本港区エリア(同市)の街づくりに関する提言をまとめた。三つの「にぎわい核」を中心とした一体的な活性化を提案。県がドルフィンポート跡地で計画する新体育館計画は踏まえた一方、市が本港区で構想を描く、サッカー等スタジアムの整備地には触れなかった。

 商議所が唱える「にぎわい核」は、(1)天文館ゾーン(2)ドルフィンポート(DP)跡地・北ふ頭ゾーン(3)住吉町ゾーン-の3カ所。ゾーン間にはカフェや商店を誘致し、にぎわい空間が途切れない工夫を施す。

 天文館ゾーンの役割は、鹿児島の食文化発信など。DP跡地・北ふ頭ゾーンは、県の新体育館計画も踏まえ、健康増進などに重きを置く場所とした。住吉町ゾーンには、コンベンション(会議)施設を整備したり文化の発信拠点を設けたりする。

 鹿児島市が昨年11月の中間報告で示したスタジアムの候補地は、DP跡地、住吉町15番街区、浜町バス車庫の3カ所。商議所の提言に沿えば、DP跡地と住吉の両案はついえる。

 提言ではほかに、北ふ頭の喜界航路を移設して離島航路を集約する案も示した。住吉町15番街区南側の船だまりを埋め立てて臨港道路を通し交通利便性を高める提案もあった。

 提言書では、県と市の連携不足や、施設整備だけが先行して議論されていることを批判。官民一体となってビジョンをつくり、長期的な視点で開発する必要性を訴えている。

 岩崎会頭は南日本新聞の取材に、「鹿児島を将来どんな街にしたいか、みんなに考えてほしい。議論をしてコンセンサスをつくっていければ」と話した。