高倉に揺れる切り干し 幻の大根「アッタドコネ」 奄美大島・有良集落で収穫最盛

 2023/01/24 08:30
高倉に干されるアッタドコネ=23日、奄美市名瀬有良
高倉に干されるアッタドコネ=23日、奄美市名瀬有良
 鹿児島県奄美市名瀬有良で伝統野菜「有良大根」(アッタドコネ)の収穫が最盛期を迎え、あちこちに切り干し大根がつるされている。同集落の冬の風物詩。農家作田達路さん(70)方では23日、奄美独特の貯蔵庫「高倉」に干された40本分の細切り大根が寒風に揺れていた。

 アッタドコネは大ぶりでほろ苦い風味が特徴。他の種と混ざらないように同集落で代々受け継がれ、集落の約10人が生産する。生産量が少ないため、幻の大根と呼ばれる。

 高倉はかつて集落に25棟あったが、残っているのは2棟のみ。作田さんは1月末まで作業を続け、約300本分を切り干し大根にする。「例年より身が締まり見た目が良い。24日から冷えるのでよく乾くだろう」と話した。